こんにちわ、かなこ(@MinmachiBuho)です。
突然ですが、皆さんは”妊娠中のエクササイズ”について、どんなイメージを持っていますか?

妊娠した!体を動かした方がいいのかなぁと思うけれど、流産のリスクが心配

つい30年くらい前までは、世界的に妊婦さんの運動は流産の危険性から推奨されてなかったんです。
ただし、妊娠初期の流産は胎児由来であることがほとんどということがわかっています。
また、アメリカ産婦人科学会も、低リスク妊婦の場合運動が流産のリスクを上げることはないと発表しているよ。
結論から言うならば、
妊婦の運動とは、 めちゃくちゃコスパの良い最初の育児!ママの身体にも良いことづくめ!
ということなんです。
その理由を説明していきますね。
マタニティエクササイズの効果
早速、どんなメリットがあるのか?から見ていきましょう
マイナートラブルの予防
妊娠中・産後のママの身体に起きやすい”マイナートラブル”とは、
・腰痛や肩こりなどの関節痛
・体力低下
・睡眠障害
・精神的不安定
・尿失禁
などが挙げられます。
適切なエクササイズを行うことによって、これらのトラブルの予防や症状の改善が可能になるとNSCA Japan(National Strength and Conditioning Association)により発表されています。
あなたもこのような症状に悩んでいませんか?
体重コントロール
日本マタニティフィットネス協会によると、
定期的に運動を行っている妊婦はそうでない妊婦と比べて、体重の増加量が小さいということがわかっているそうです。
ちなみに同協会の会長である 田中康弘 医師は、「妊婦だって基本的には何をどれくらい食べても平気!その代わり運動をしろ!」と仰っていました笑。
赤ちゃんにも影響が?!
過度な痩せや肥満によって、分娩や赤ちゃんにも影響が及ぶことがわかっています。
肥満により、妊娠性糖尿病や高血圧などの合併症が上昇したり、痩せと低出生体重児の関係も示唆されています。
また最近では、「胎児期・乳児期に低栄養・過栄養の状態にさらされる」ことで、 赤ちゃんが将来生活習慣病になりやすくなる 、という研究も報告されています(Developmental origins of health and disease:(DOHaD))。
妊娠中は可能な限り良く食べ、体重コントロールのために運動をする、というのが理想的といえそうです。
分娩時の産科的介入の必要性が減少
多数の研究から、妊娠時の適切なエクササイズによって
- 分娩時間の短縮
- 産科的介入の必要性の減少
- 妊娠性糖尿病のコントロール改善
などが可能になると報告されています。
※マタニティフィットネス協会HPより
マタニティエクササイズの対象者

運動がいいのはわかったけど、誰でもやっていいの?
低リスク妊娠のすべての妊婦に推奨されています。
以下のような問題がない妊婦さんは、是非主治医の先生に相談してみましょう。
高リスク妊娠とは;切迫早産、不全頸管、中期以降の不正出血がある母体、子宮内発育遅延、コントロール不良1型糖尿病、重症妊娠高血圧症候群、重度の循環器合併症を有する母体、多胎(三つ子以上)
などが該当します。主治医の判断を仰ぐ必要あり。

運動をしていい期間は?
- 推奨される開始時期:妊娠3か月頃(安定期に入り、つわりが収まるころ。胎児由来の流産はこのころまでに生じるため、安心して運動が開始できる)
- 終了時期:予定日直前まで行うのが理想的。健診毎に主治医に確認しよう。
どんな運動が良いの?気を付けることは?
まずは、NSCAが発表するガイドラインから、推奨されない運動一覧について確認してみましょう。
乗馬や滑降スキー、アイスホッケー、体操競技や自転車競技、逆立ちは転倒の可能性が高いので避けましょう。
またスキューバダイビングなど高圧の負荷がかかるもの、ビクラムヨガなど高温になるエクササイズは禁忌です。
武道など、強い体の接触を含む競技もお勧めしません。
はい。つまり、 あなたの頭の中に浮かんだスポーツに関しては、何をやってもほとんど問題ありません。 ということです。笑 日本で滑降スキーやってる妊婦さん、聞いたことないもん。
注意すべき点として、
- 靭帯が緩み、バランスを崩しやすくなるので、凸凹道などでの運動は避ける。またしっかりとしたスニーカーを着用する。
- 妊娠後期に運動をハードにしない。
- 妊娠後期は、大きくなった子宮に静脈を圧迫されやすいため、仰向けでの長時間のエクササイズは避ける。
- 立った姿勢でバランスじっくり取り続けるような姿勢は、血圧が下がりやすいので注意。
などが挙げられます。
運動の強度(しんどさ)
強度を決定する指標としては主に以下の3つがあります。
- 最大心拍数の60%程度(30歳女性であれば140回/分程度)
- トークテスト:軽い息切れがあっても、周囲の人と会話できる程度
- 自覚的運動強度(ボルグスケール):以下の表で”ややきつい”と感じる強さ
上記のボルグスケールや、トークテストがわかりやすくてオススメです。
これ以上強い強度では無酸素運動となり、母体だけでなく赤ちゃんにも酸素が供給出来ていない状態なので注意してください。
まとめ
今回は、妊婦さんが運動をすることによる効果や、適切な強度・時期についてまとめてみました。
次回はオススメエクササイズについて紹介します!