完全インクルーシブ?!途上国における特別教育問題について

インクルーシブ

こんにちわ、かなこ(@MinmachiBuho)です。

私は以前青年海外協力隊としてグアテマラの特別支援学校に勤務していました。

インクルーシブな街づくりを志す元青年海外協力隊員が、なぜ”すべての子育て”を支援するのか?
青年海外協力隊に参加した理学療法士が考える、”すべての子育て”の支援とは。

 

当時の配属先は「インクルーシブ教育を促進する」ことを活動の主軸のひとつとして置いていたため

途上国におけるインクルーシブ教育事情について色々教えてもらいました。

 

日本では平成36年前後を目途に導入を目指しているインクルーシブ教育ですが、グアテマラをはじめとした中南米諸国(おそらく多くの途上国でも)では、

完全インクルーシブ教育!!!

を推進しています。

じゃあ日本は途上国よりも遅れているの?

実際どういう風に行われているのかしら

 

なかむら
かなこ

まぁ、突っ込みドコロはたくさんありますよね…

グアテマラでのインクルーシブ教育の現状、メリットや課題についてまとめました

政府主導で”インクルーシブ教育”が推進されている

グアテマラでは教育省が先陣きって”インクルーシブ教育”を全力で推しています。

こんな感じのマニュアルまであって、行動指針や目標も定められています。

何やら立派な感じだ…

 

一方私が実際に感じたのは「理念に振り回される現場」でした。

専門家不足が第一の原因

まず、当時私が聴いていた情報では

「国内に特別支援教育を学べる大学課程が2校のみ」

ということです。

そのため、教育に対してスペシャルニーズがある子どもたちに対応できる学校自体が、そもそもほとんどありませんでした。

 

県に特別支援学校は1校だけ。30何人に先生は1人。多動の子は椅子に縛る。

県の端から子どもを背負って、朝の3時に家を出て通学してくる。

など、質・量ともに大きな課題を抱えていたのです。

 

そこで、国としては「特別支援教育を専門として行う教育機関を増やすこと」よりも「インクルーシブ教育を主流にする」ことに舵を切ったようです。

 

なかむら
かなこ

インクルーシブ教育を目指す!というよりは、

そうせざるを得ないって状況よね

押し込まれた多様性

そのため、想像するに難くないですが

多動のため集中できない子、目が見えない子や読字に障害がある子、耳が聞こえない子たちが「普通級」に押し込まれるという結果になりました。

耳の聴こえない女の子が通っていた公立小学校。ここに留年し続けている小2の女の子(おそらく15歳前後)がいた。ダウン症がありそうだと感じました。

耳が聞こえない、先生は手話がわからない、もちろん同級生も。

それでも彼女なりに一生懸命となりの子の教科書を写していました。訳はわからなくても。

どうにかしたい!現場の気持ち

しかし、現場の先生たちはその状態に甘んじている人だけではありませんでした。

どうにかしたい!けど、どうしたらいいかわからない…。そのハザマで苦しんでいる方がたくさんいました。

どうやって支援したらいいの?

私の配属先は、半日/週でEducation Needsを持つ子どもたちを対象に通級として受入れ、

その他もう1日、その子たちが通う普通級に訪問し、”合理的配慮”について担任や学校の先生方へ伝達する、という活動を行っていました。

手話を教えたり、目が見えない子に対しどう指導をしたらいいか?感覚ニーズがある子に対しては?

短い時間ではありますが、現場の先生たちは熱心な方が多く、「その子を受け入れたい!」と意欲を燃やしてくれる方が多かったです(みんなではないですが)。

視覚障害がある子に対し、カレンダーを教えよう!というアクティビティ。ポイントを伝えると、先生たちからどんどんアイデアが出てきます。

クラスメイトへのサポートは?

定型発達である同級生たちに対しても、訪問時に授業を行います。

 

「普通ってなんだろう」「ひとりひとり違うよね」

じゃあ、どうやって〇〇君が困っているときに手伝おうか!!

 

そんな話をアクティビティを通してしていきます。

 

子どもたちも、わからなければ「何故あの子だけ?」と感じるかもしれないし、知らなければ傷つけてしまうかもしれない。

一緒に手話を学ぶ子どもたちの表情はとても印象的でした。

 

多様性は”ある”。その次は?

多様性があるか、ないかという議論はもう終わらせないといけません。

だって、「ある」んだもん。

じゃあ、そこからどうする?を考えよう。

 

グアテマラのインクルーシブ教育は、全然形になんてなっていません。お金もない、人もいない、設備もない。ないないづくし。

しかも、特別支援教育の専門家を増やす!と意気込んだとしても、生徒が増えて、卒業してプロとしてサービスを提供できるまでに子どもたちは大人になってしまいます。

先進国に比べると、日本のインクルーシブ教育はまだまだ遅れていると感じています。社会保障費や教育にかけるお金も非常に少ない。

(もちろん教育費を増やすことは大事ながら)
ない・ない・ない…とないものを数えていても、具体的な解決策は出てきません。

 

各自治体や教員の裁量でインクルーシブ教育を進めていくんじゃなくて

コミュニティの中で、学校の中で、社会の中で、

どうやったら「みんなを大切に出来る?障害のある・なしじゃなくてさ」

という議論をしていきたいです。

 

私の元配属先みたいに、第三者機関として地域のインクルージョンを推進していく団体がたくさん出来れば、人的・金銭的リソースが不足していても変えられる部分はあるかもしれません(元配属先は寄付やイベントを実施してファンドレイジングしていました)。

多様性はただの数。インクルージョンが実現出来れば、社会への大きなインパクトになる。

 

なかむら
かなこ

それぞれの強みを活かせる社会になれば、みんな生きやすいよね

具体的なアイデアはまだ出せないけど、考えること・挑戦することをあきらめずにいたい。