こんにちわ、かなこ(@MinmachiBuho)です。
揺さぶられっ子症候群、ご存知でしょうか?
おそらく乳児育児を行っているご家族は何回も耳にしたことがあると思います。
正式名称は「乳幼児揺さぶられ症候群」といって、
激しく乳児を揺さぶり続けることで生じる頭部損傷です。
厚生労働省が発行しているこちらの冊子にもあるように、赤ちゃんの激しい泣きに対して何とか泣き止ませようととっさにケアギバーが揺さぶってしまう…
などが原因になると考えられています。
赤ちゃんの脆い脳内が損傷することで、
- 歩行困難
- 学習障害
- 言語障害
などの神経症状が出る可能性もある他、網膜出血による失明の恐れもあるとされています。
乳幼児揺さぶられ症候群の詳しい症状や対処方法については上記冊子やコチラのPDFをご参照してください。
今回のメインテーマは
「じゃあ赤ちゃんはとにかく首を守って、大事に安静にしていた方がいいの?いやいやそんなことはないよ」
です。
危険なあやし方を避けるべきなのはもちろんですが、一方過剰に気にしすぎると、体を使った遊びが出来なくなったり、大人も神経質になってしまったり…と
赤ちゃんにも大人にもデメリットが生じます。
そこで、
赤ちゃんと遊んだりあやしたりしたいけれど、乳幼児揺さぶられ症候群がこわくて…
という方に!
乳幼児揺さぶられ症候群の原因と日常生活の動きによるリスク、遊ぶ際の注意したいポイントなどを解説していきます。
原因は”繰り返しの揺さぶり”による脳の血管損傷
頭部が体より重たく、首の力もまだまだ弱い赤ちゃんは、激しく揺さぶられ続けると首がムチのようにしなるため、頭蓋骨内の脳が様々な方向に・様々な速度で揺れ動きます。
その引っ張られる力により脳の表面の血管が損傷し「硬膜下出血」を起こしたり、時には神経を傷つけてしまう。
これが「乳幼児揺さぶられ症候群」です。
実際どれくらいの衝撃があるの?
こちらの動画に揺さぶられのイメージ動画があります(1:40前後)
このように、「周りからみたら明らかに危険だ」という激しさで揺さぶり続けることが発症の原因となるんです。
では、頭からごっちんと転んだり、うっかり落としてしまった際は大丈夫なのでしょうか?
頭への衝撃では揺さぶりよりも相当激しそうですよね。
こちらは、脳内の静脈の伸び具合を「転倒・転落・揺さぶり」の3種類の衝撃で比較したグラフです。
前述の説明であったように、「激しく繰り返し揺さぶられることで、脳が様々な速度・方向に動く」ことが脳の血管損傷の原因になります。
つまり、一見衝撃が強そうな転倒や転落よりも、揺さぶりのリスクは非常に高いということがいえます。
一方、同研究内で
- 膝の上でぴょんぴょん跳ねるような動き
- 乗車中のチャイルドシート内での揺れ
- 高い高いなどのあやし遊び
では、血管が切れる心配がないことも証明されています。
バウンサーなどで揺さぶられ症候群にならないかと心配になるという声も聞こえますが、
前述したように「首がムチのようにしなることで脳にストレスがかかる」ことが原因のため、
体全体が揺れるようなバウンサーとは、衝撃の種類がまるで違いますね。
厚生労働省による解説動画はコチラ
月齢に応じておもいっきり遊ぼう!揺さぶられ症候群予防ポイント
とはいえ、「こんな風に遊んだら頭が揺さぶられちゃうのではないか…?」と心配にもなりますよね。なんたって頭の中は見えませんから。
それでも、体を使ってしっかり遊ぶことは子どもの発達に不可欠です。
そこで、月齢や体の発達に応じて「赤ちゃんと遊ぶ際の注意ポイント」をまとめました!

こちらを参考に楽しく・安全に遊んでみてください!
新生児期の遊びは「横の動き」で!
新生児期のふにゃふにゃな赤ちゃんでも、体を使った遊びは出来ます。
しっかり横抱きをした状態で、水平にゆっくりゆらゆら大きく揺らしていきましょう。
モロー反射が強く出る際は驚いているのでしっかり抱きなおしたり、揺れ幅を少なくしたり速度を遅くするといいですね。
首が座り前はホールドしながら
2・3か月になると赤ちゃんはだいぶ体がしっかりしてきて、ご機嫌に起きている時間も増えます。
まだまだ自分では動ける範囲が少ないため、大人が一緒に体を動かしてあげましょう。
例えばこのようなアップダウンの遊びは赤ちゃんはとても気に入ります。
その際、縦抱きで首がぐらぐらしないように、胸元をしっかり支えて大人の体にぴったりとくっつけてあげましょう。
怖がらないか確認しながら、アップダウンの動きの速さや大きさを変化させてもいいです。
赤ちゃんが前傾して不安定にならないように、しっかりとしたホールドを忘れずに!
https://minnanomachibuho.com/2018/11/25/papa-physicalactivities/
こちらも併せてどうぞ!パパ大活躍!
緩急の切り替えし時に注意しよう
首や腰がすわってくる生後6カ月頃には、「遊んでいた拍子に首がガクガクしちゃった!」という頻度もだいぶ減ってくるハズです。
基本的にはそこまで注意する必要はありませんが、高い高いなどの激しい遊びには注意が必要です。
すっと高く持ち上げる分には問題ありませんが、いきなり猛スピードで持ち上げたり、放り投げたりするような速度の変化は赤ちゃんも対応しきれないため危険です。一定の速度を保って遊ぶようにしましょう。
しかしながら、この時期の赤ちゃんは「速度の変化」をとても好みますね。
そういうときは、速度を変え緩急をつけるときはしっかり抱っこしたり、頭を支えるようにするなどサポートを加えるようにしましょう。
※投げ上げるような高い高いは揺さぶられ症候群だけでなく転落などのリスクもあります。楽しいのは良いですが激しすぎるのは避けてください。
まとめ
乳幼児揺さぶられ症候群を引き起こすのは、どんな種類で、どれほど強い衝撃や動きなのかということがわかりましたね。
乳児育児、特に初めて育児の場合は「これは赤ちゃんには激しすぎるかな?」と心配になる場合も多いはず。
ですが遊び方にちょっとひと工夫すれば、体を使った楽しい遊びも「赤ちゃんにとっても大人にとっても、楽しく・安全」に行うことが出来るんです。

ぜひ赤ちゃんとの楽しい体遊びライフをお過ごしください☆